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2009年1月25日

『除夜の鐘』(情報マガジン Vol.291 2009年2月号より)

内容

 子どもの頃、大晦日の夜は親から夜更しが許される唯一の日でした。朝から大掃除が始まり、お正月用品の買出しなどをして夜のくるのを心待ちにしていました。当時、お正月はどこのお店もお休みで、まだコンビニなどもなく、大晦日に正月分の食糧を買いだめしていたと記憶しています。
 夕飯を済ませると、父と母はおせち料理の準備に取り掛かり、私と兄は「日本レコード大賞」を観て松田聖子や近藤真彦の歌に合わせて踊ったりしていました。合間に二人でお風呂に入り、すぐに寝られる体制を整えます。
 おせち料理の準備がひと段落すると、母が年越そばをゆで、家族四人こたつの中で年越そばを食べながら「紅白歌合戦」「ゆく年、くる年」を観て家族団らんのひと時を過ごしました。まだ小さかった私は、夜更かしができることを楽しく思いながらも、10時を過ぎるあたりから次第に眠気が襲ってきて、睡魔との闘いを繰り広げていました。
 真夜中12時近くになるとあたりは静寂につつまれ、何だか心細くなりながらも年が変わる瞬間を見逃すまい、眠るまいと必死に目をこすり、その瞬間を待ちました。
 あれから30年、今は親の立場となり、家にこたつこそありませんが、今年も大晦日の夜は妻と3人の子どもたちとで1年を静かに振り返りました。
 真夜中の子どもたちの眠そうな目を見ると、いつもあの時の自分を思い出して、あたたかいような、寂しいような気分になります。
「母の背に 揺られてかすむ 除夜の鐘」(かつて少年だったカタクラ/ボラセンジャー・アイボリー/JANUARY 5.2009)

◆ちよだボランティアセンター情報マガジン「ボランティア」
 Vol.291 2009年2月号(2009/1/25発行)より

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