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2016年6月25日

Vol.29 斎藤 光治さん(車いすステーション)

プラスボランティア vol.29

内容

~ご近所のみなさんの”いざという時”に~

ご近所のステーションとして
社会福祉協議会からの声かけがきっかけで車いすステーションを設置しました。以前、町内の方が急に車いすを必要とされることがあって、出張所にある社会福祉協議会の車いすステーションを紹介しました。そういう経験があったので、うちの町会にも車いすステーションがあれば、出張所まで借りに行く必要もなくなるので便利だと思いお受けすることにしたのです。
車いすは急に必要になることが多いので、「ご近所にステーションがあって良かったわ」と利用者から言っていただくことがあります。また、都会のど真ん中という土地柄、必要なときにさっと借りることができ、用が済んだらその日のうちに返却できるというのもメリットのようです。車いすの置き場所がない方もいますから。

町内の高齢化
車いすステーションとして貸し出しを行うようになって感じるのが、地域の高齢化です。今のところ、貸し出しの全てが高齢者に向けたものです。親の通院で必要になったということで、息子さんや娘さんが連絡をしてこられるのです。町会でも60歳以上の割合が増えたと思っていましたが、車いすステーションの需要にもその傾向がはっきりあらわれています。
そういった町内の高齢化に伴い、本当に車いすを必要とされている方に情報が届くよう工夫しています。町会の会報やホームページで車いすステーションの広報をしたり、町会の福祉部長に車いすが必要と思われる方へ直接声かけをしてもらったりしています。しかし、マンション住民など町会からの呼びかけが届きにくい方への周知には、まだまだ課題が残っています。

より多くの人に利用してもらうため
半年以上車いすの貸し出しがないというときもあります。もっと多くの方に効率よく利用してもらうためには、ステーションの設置場所を見直すことも必要だと感じます。たとえば、大病院にタクシーで通院すれば、玄関口に常時車いすが用意されています。しかし町のクリニックでは車いすがないところもあり、院内で不便を強いられることがあります。
また、薬局など人の出入りが多い場所にステーションを設置するという方法も考えられます。みんなが日頃から見ていて、「あそこに行けば車いすがある!」と知っておいてもらうことが理想だと思います。車いすを利用する可能性は高齢者に限られたものではないので、町の皆さんのいざという時に役立つ車いすステーションであることが求められるのではないでしょうか。

町の皆様へ
車いすを利用しないで生活できることが一番です。しかし、ケガや病気など車いすが役に立つ場面があるかもしれません。そういったときに、ご近所の車いすステーションを思い出してください。ほんのちょっとの利用でも、身近なものとしてお気軽に声をかけていただければ嬉しいです。

さいとう・こうじ さん
内神田鎌倉町会会長を務めながら、民生委員・児童委員としても地域住民の支援を行う。また、昭和23年創業の斎藤コーヒー店を神田・日本橋で営む。

車いすステーションとは…
車いすが一時的に必要な方を対象に、社会福祉協議会から車いすをお貸しています。出張所や個人のお宅など区内各所で手続きや貸出を行っています。詳しくは、お問い合わせください。
【問合せ先】
千代田区社会福祉協議会
援護係
TEL:03-3265-1901
FAX:03-3265-1902
E-mail:engo@chiyoda-cosw.jp
URL http://www.chiyoda-cosw.jp/

斎藤 光治 さん