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2013年7月9日

「忘れてはいけないこと、忘れられないこと」

内容

昨年夏、父と2人で1泊旅行に出かけました。夏休みを利用して帰省した際に父が、「震災の被災地ってどんな状態なんだろうね。」と言ったのがきっかけです。実家は茨城県にあるのですが内陸のため、震災当日はかなり揺れたものの瓦が何枚か落ち、食器が棚から落ちて割れた程度でそれ以上の被害はありませんでした。

私は仕事で震災1か月後に被災地の社協のお手伝いに入り、その後も何度か被災地に行っていることから、父は私から様子を聞いてみたいと思っていたようです。

「それでは、近いところで北茨城に行ってみようか。」との私の提案に父も乗り、翌日車で出かけることになりました。

実家から高速を使って約3時間で北茨城に到着。当時被災三県の話題はニュースで報じられていましたが、すでに北茨城は話題になることはありませんでした。しかし被災範囲は三県とは隔たりがあるものの、被害を受けた建物の状況などは変わりありませんでした。茨城県出身の父も同じ茨城県民が被災された状況に少なからず衝撃を受けたようで「大変だったろうね。」としきりにつぶやいていました。

もう少し北に行ってみたいという父の希望で福島県いわき市まで足を延ばしました。海沿いは北茨城からいわきまでずっと同じ状態で、父はずっと被災された沿道を見つめていました。かなり北まで走ったことから、そのまま帰るのも大変になり、温泉旅館に1泊して帰宅することにしました。

被災地では「忘れられることが一番辛い。」と話す方が多くいらっしゃいます。私は仕事で直接被災地支援をすることもありますが、被災地に思いを寄せる人を増やすことも一市民としてできる支援なのかなと思いました。

実は父との2人旅は成人して以来、初めてのこと。父も私も口数の多い方ではないので車の中でも旅館でも無言の時間が多かったのですが、後日母から「お父さん、楽しそうだったわよ。」と話を聞き、年老いた父親の忘れられない思い出になったのなら、親孝行のひとつもできたのかなと思いました。

片倉

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